2009年5月3日日曜日

世界を超決定論的であると見なすこと

『量子と混沌』という本のなかで、あのベルの不等式で有名な理論物理学者ジョン・ベルがインタビューで答えた一句です。インタビュアーが「自由意志とは幻想である」と受けます。これは実に面白い話です。ここで言わんとしている難解な量子論や物理学はさておき、すべてが予め決まっているというのは、ある意味当然とも思えます。世界の始まりまで遡れば、その緒条件によって、その先がどうなるかは決まっていると考えても良いでしょう。例えばサイコロを振って1が出る確率は1/6ですが、サイコロの目がどうして1になったのかを厳密に突き詰め、サイコロを握った時点を開始点として緒条件を決定し、それに従って実行することができれば、必ず1が出るということです。もし1以外の目が出たとしても、それは予想しなかったパラメータが入り込んでしまった、つまり再現に必要なすべての条件を満たしていなかったにすぎません。宇宙もサイコロとなんら変わるところはありません。まさしく賽は投げられたのです。しかし依然として、私たちには未来の予測がつきません。従って、たとえ宇宙の緒条件からみれば選択の余地はないとしても、何かを成し遂げようとする思いや希望があるなら、自分さえその気になって努力することができるなら、それは宇宙の緒条件によって支持されていると言えます。Coding Challengeも、最後まで諦めずに頑張ろう、と思いました。

1 件のコメント:

  1. もちろん超決定論的であっても良いというだけで、そう決まっているという話ではありません。例えば宇宙の外から風が流れ込んできて、同じ緒条件でも毎回別な宇宙になるとしても問題ないというレベルの話です。真面目な科学の話なら大問題でしょうが。

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